磯釣りをしている皆さんであれば、聞いた事のある「がま磯インテッサ」
がまかつの上物竿のフラッグシップモデルの名称で、2023年現在の現行モデルは「インテッサGⅤ(ジーファイブ)」という名称で販売されています
- インテッサは「強い竿」と聞くけど強い竿ってどういう事?
- 上級者向けの竿なのか?
- インテッサはどう使えば一番性能が発揮できる竿なのか?
インテッサという竿にこのような疑問をもって、使ってみたいと考えている人は多いと思いますが、価格が非常に高いので「どんな竿なのか分からないのに高い金額なんて払えない」と思っていませんか?
そこで今回はインテッサの5代目である「インテッサGⅤ」の性能、使い方、使用感について現ユーザーの私が解説していきます
インテッサGⅤがどんな竿でどう使う竿なのかが、この記事を読めば分かるようになっていますので、インテッサGⅤを使ってみたいと考えている人はぜひ最後まで読んでみて下さい
強い反発力でパワフル&スピーディーなやり取りが可能なのがインテッサGV
歴代のインテッサにも共通する特徴なんですが、強い反発力でパワフル&スピーディーに魚を浮かす事
その時代の流行や竿製造技術で多少は味付けが変わっていても、基本的な性能はそうであると感じます
そのため竿が曲がってから反発して戻ってくるスピードは速く、掛けた魚を素早く浮かせる事が可能
強い反発力で魚をグイグイと浮かすことからインテッサは「強い竿」と呼ばれています
掛けた魚に対して竿のパワーで真っ向勝負をする竿がインテッサGⅤ
反発力が強いと仕掛けに負荷がかかるので扱いが難しそうなイメージですが、竿にかかる負荷の強さに応じて竿の支点がスムーズに移動するので、強い反発力を持ちながらも仕掛けへの負荷は抑えられていて安心してやり取りができるようになっています
初級者でも扱える秘密は使い手を選ばない「全角度対応調子」
圧倒的なパワーを持った反発力の強い竿
聞こえはいいですが、特定の角度でしか反発力が発揮されなければ、とても扱いが難しく上級者限定の竿となってしまいます
しかしインテッサGVは、どんな角度でも竿の反発力を生かせる「全角度対応調子」設計で、竿がどんな角度になっても性能が発揮出来るため対応範囲が広く万能な竿
がまかつのHPのインテッサGⅤの製品説明には以下のように記載があります
先調子や胴調子という概念を超えたインテッサのみに与えられる「全角度対応調子」が完成。「竿を立てる、寝かせる、横に泳がす」等の攻めの状況から「のされそうになる、手前に突っ込まれる、横に走られる」等の守りの状況すべてにおいて竿が的確に働き圧倒的「力」で釣り人をサポートしてくれます。
引用元:がまかつ
そのため使い方が難しい竿ではなく、その人の釣り方に竿が合わせてくれます
竿の角度がどんな角度になっても「力」を発揮してくれるので初心者~上級者の幅広いレベルの釣り人に対応してくれるのがインテッサGⅤなのです
どんな竿の角度でも扱えるが、少し立て気味で使う方が竿の能力を生かせる
「全角度対応調子」で竿を立てても寝かせても使えるんですが、私が使った感じでは「少し立て気味で使う」ほうが竿の良さを引き出せると思いました
反発力が強い分、竿を寝かせすぎなくても魚の走りを止める事ができますし、寝かせすぎると仕掛けにかかる負荷が大きくなりバレる可能性が高くなると使っていて感じます
やり取り中の竿の角度は45度ぐらいで、#3~#4に負荷をかけてやり取りするのが良さそうな感じ
胴調子竿のように元竿まで曲げてやり取りすることもできますが、胴調子竿のような柔軟性は持ってないので、元竿を曲げるようなやり取りをするなら頑丈な仕掛けを使うことが必要になってきます
元竿を曲げるようなやり取りは、インテッサGⅤの得意な部分ではないので胴調子竿と同じように使うとバレることは多くなるので気をつけましょう
インテッサGⅤの性能を生かしたいなら仕掛けは太めで挑むべし
インテッサGⅤの反発力の強さを生かすなら仕掛けは太めにしておきましょう
理由は同じ号数の竿でもインテッサGⅤの方が強めの反発力を持った調子だからです
具体的な例をあげるとアテンダーの1.25号を使って1.5号のハリスを使っているなら、インテッサGⅤの1.25号で1.5号のハリスを使うのではなく、竿を1号にして1.5号のハリスを方が仕掛けのバランスが良いと感じます
「全角度対応調子」のおかげで強い反発力を持ちながら繊細な仕掛けに対応してはいるんですが、繊細な仕掛けへの対応力より魚をパワフルに浮かすほうを重視しているので、インテッサGⅤは通常の竿よりワンランク上のパワーを持った竿だと思ってください
インテッサGⅤは魚と真っ向勝負をすることを目的としている竿なので、仕掛けは太めが正解
操作性とやり取り性能どちらも高レベルだが、特化型の竿には劣る
インテッサGⅤは磯釣りに必要な機能全てを高レベルで搭載している竿なんですが
- 操作性は先調子のグレ競技スペシャルの方が上
- やり取り性能は胴調子のマスターモデル、アテンダーが上
というように特化型の竿の性能には負ける部分がありますので、インテッサGⅤの操作性とやり取り性能について使っていて感じた事を解説していきます
先調子と胴調子の間の「中間調子」で操作性は非常に良い
上の図のようにインテッサGⅤは号数によって調子が若干異なります
- 0.6号~1.5号は張りがある操作性重視の調子
- 1.75号~3号は張りと柔軟性のバランスを重視した調子
2023年現在のがま磯のラインナップの中ではグレ競技スペシャルに次ぐ張りの強さがあるので、仕掛けを投入する時とライン操作をする時に非常に軽快に竿を扱うことができます
仕掛け投入から魚を掛けるまでのところでは、ほとんどの竿より優れた性能を持っているので、シビアな状況下で魚を掛ける時には大きな味方になってくれるでしょう
操作性はグレ競技スペシャルには劣るけど、非常に高いレベルなので使っている時に不満を感じる事はない
竿を叩く感覚が強く、胴調子竿と比べると仕掛けに負担がかかりやすい
インテッサGⅤは「全角度対応調子」で竿を寝かせた時の仕掛けにかかる負荷を抑えるようになっていますが、胴調子竿のような柔軟性はないので、やり取り中の竿を叩く感覚は強いです
よって胴調子竿と比べると仕掛けにかかる負担も大きくなってしまいます
魚の引きを吸収する能力は胴調子竿のほうが確実に上なので、細仕掛けでのやり取り性能だけを考えるならアテンダーやマスターモデルなどの胴調子竿のほうがいいでしょう
やり取りに関しては胴調子竿のほうが良いと思えますが、必ずしもそうとは言えません
インテッサGⅤは胴調子竿よりも曲がり込む量が少なく、魚が沈み根に突っ込む前に止めて浮かせる事ができるので、沈み根が多く強引なやり取りが必要な状況では先調子や中間調子のほうが魚を獲れる確率が高かったりします
ラインナップと価格
号数 | 標準全長(m) | 希望本体価格(円) | 標準自重(g) |
---|---|---|---|
0.6 | 5.3 | 171,000 | 203 |
1 | 5 | 173,500 | 203 |
1 | 5.3 | 176,500 | 223 |
1.25 | 5 | 177,500 | 210 |
1.25 | 5.3 | 180,500 | 233 |
1.5 | 5 | 182,500 | 218 |
1.5 | 5.3 | 185,500 | 238 |
1.75 | 5 | 190,000 | 248 |
1.75 | 5.3 | 192,000 | 260 |
2 | 5 | 198,000 | 258 |
2 | 5.3 | 202,000 | 268 |
2.5 | 5 | 208,500 | 280 |
2.5 | 5.3 | 211,500 | 290 |
3 | 5 | 221,500 | 298 |
フラッグシップモデルなのでかなり高めの値段設定で簡単に買える値段ではありません
鮎竿とあまり変わらない値段というのが恐ろしい
ラインナップは0.6号~3号までと幅広く、色々な魚種に対応できるようになっています
やり取り中の粘り強さを出すためにブランクスは肉厚で重たい竿ですが、重心は手元よりにあるので実際に竿を伸ばして持つとあまり重さを感じません
持ち重りを重視する「がまかつ」らしい設計です
搭載している装備
発売されたのが2015年のため、2023年時点で搭載されている装備は新しいものはありませんが、最新の竿でも採用されている装備は多いです
スーパートップⅡ
巻き込んでも折れにくい強度の高い穂先、繊細さと感度の良さも兼ね備える
名称は違いますが、どのメーカーも最近はこんな感じの強度に優れる穂先を採用しています
ウキを巻きこんで穂先を折ってしまうと交換費用が高くついてしまうので、ありがたい仕様です
特にインテッサGVは穂先の値段が17,000円~20,000円ぐらいと高額なので注意して扱いましょう
巻き込みに強いといっても非常に細いので丁寧に扱う事が大事
スーパーアクティブサスデザイン
振出竿の継目の段差を従来の「アクティブサスデザイン」より50%以上削減して、ワンピースロッドに匹敵するスムーズな応力伝達を可能にした技術
この技術により竿の曲がりが止まることがないので
- スムーズに竿が曲がるようになって糸が切れにくくなる
- 魚に常に負荷をかけ続けて早く浮かせる事ができる
というメリットがあります
2023年現在スーパーアクティブサスデザインが搭載されている竿は11種類
限られた竿にしか搭載されていない技術となっています
パワークロスシステム
今までは縦方向と横方向のカーボン繊維で構成していたものに斜め45度のカーボン繊維のものを入れてネジレに強くする技術
竿の反発力やパワーが向上する効果があります
最近は採用している竿が増えていて、スタンダードな技術になってきていると感じます
名称と仕様は若干違いますが、斜め45度方向にカーボン繊維を入れるやり方は、現在いろいろなメーカーで採用されている技術ですね
タフライトZ
樹脂へのカーボン含有量を増やして強度と軽量化を実現したカーボン強化素材
インテッサGVはリールシート部分に使われています
幅広い竿に採用されている「タフライト」と比べ、約2.1 倍の強度UP と約10%の軽量化を実現しています
この素材はコストが高いという理由なのかどうかは分かりませんが、2023年現在インテッサGVのみにしか搭載されていません
ナノアロイ
「ナノアロイ技術を適用したカーボン素材を使用」という事です
この「ナノアロイ技術」を採用して作られたカーボン素材は強度が高いとの事
最近の竿はこの技術を採用したカーボンを使っている物が多くなっています
この技術を開発した「東レ」のホームページの説明を見ましたが、専門的な知識がない人は見ても全く理解できないような内容でした
チタンフレームIMガイド
ガイドが斜めに傾斜しているため糸が絡んでも外しやすく、穴の面積も大きいので糸の通りが良いという特徴があります
インテッサGVはオールチタン製のフレームを採用
ガイドのフレームはチタン製とカーボン製のものがあり、重量はカーボン製が軽いですがフレームの厚みがあり面積が広いので風の影響を受けやすいというデメリットがあります
チタンフレームとカーボンフレームの比較をすると以下のようになります
ガイドフレームの材質 | 重量 | フレーム厚さ | 風の抵抗 |
---|---|---|---|
チタン | 軽い | 薄い | 小さい |
カーボン | 凄く軽い | 厚い | 大きい |
- 軽さは若干劣るが弱点のないチタンフレーム
- 軽さ抜群だが強風時に弱点が出てくるカーボンフレーム
ダイワ、シマノの高価格帯の磯ロッドはカーボンフレーム採用のものがほとんどですが、がまかつはチタンフレームを採用しているものが多いですね
TZチタン
チタンフレームトルザイトガイドを使用しているという事です
穂先のTOPガイドだけがこのガイドとなっていて、sicガイドよりも薄くなっているため軽量で持ち重りの軽減に貢献しています
穂先部分は重量の影響が大きいので、より軽く繊細なものを採用するようになっています
フラッグシップモデルにふさわしい外観
フラッグシップモデルにふさわしく、装飾が華やかな元竿の各部分を紹介していきます
リールシートはインテッサGV専用設計でゴールドチタンコーティングで高級感があります
スライドシートの機構は一般的で特筆する点はないですが、スクリューシートはフード部分にもラバーをコーティングするという珍しい仕様でデザインもカッコイイです
最近発売される竿はほとんどスクリューシートになってきているので、スライドシートのインテッサGVの0.6号~1.5号は希少な仕様となっています
リールシート上部はマジョーラカラーで光の当たる角度によって色が変わって見えます
エンドグリップ部分の素材自体はエラストマーラバーで、前作のインテッサGⅣと同様で模様だけが違います
スーパープレシードも同じタイプのエンドグリップを採用しています
リールシートと元竿の継ぎ部分やエンドグリップと元竿の継ぎ部分の装飾も凝っていて、共通のデザインです
玉口部分の補強リングにラインを入れたり、カーボン部分が見えるような仕様だったりと細かい所まで作り込んであります
元竿上部の3本線の部分にも金のラインが入っていて、他の竿との差別化されています
リールシート上部には「pride of gamaiso generationⅤ」と表記があります
「がま磯第5世代のプライド」という意味でしょうか・・・
インテッサGVは使って良し、眺めて良しの超万能磯竿
インテッサGVの実用性としての大きな特徴は
強い反発力をどんな角度でも発揮できるパワフルで操作性のよい万能な竿
値段はかなり高いですが
- どんな釣り方にも対応できる
- 使う釣り人のレベルを選ばない
パワーがあって魚を浮かすスピードは速くても癖のない調子なので誰でも使える竿です
凝ったデザインで所有欲も満たしてくれる竿でもあるので
使って良し、眺めていても良しの超万能磯竿
思い切って買っても後悔することはありません
買取価格も高く、大事に使ってきれいな状態を保っていれば新しい竿を買う時の下取りに出すのにも有利です
ぜひインテッサGⅤを使って竿の圧倒的なパワーで大物の強い引きと真っ向勝負を楽しんでみてほしいと思います