鮎の友釣りで使う掛け鈎は市販品の出来合いものでも非常に性能が高く、名手と呼ばれる人でも普通に使っている時代。
しかし、手軽に高性能な掛け鈎を買える時代でも、掛け鈎を自作する鮎釣り師はたくさんいます。
自作の鈎を使っても、出来合いものの鈎を使っても、釣果がビックリする程変わることはないですが、なぜ掛け鈎を自作しているのか気になっている人も多いんじゃないでしょうか?
掛け鈎を何も考えずに自作することにしたり、出来合いものを購入したりしてしまうと買っても使わずに在庫になって無駄な買い物をしてしまうことになってしまいます。
私は鮎釣りを始めて20数年たちますが、最初から掛け鈎の自作を始めて、同時に市販の出来合いものもよく買ってしまって20年ぐらい前に買った鈎をいまだに使わずに持っていたりしています。
この記事では、自作の掛け鈎を作るメリット・デメリットと、市販の出来合いものとどのように使い分けると無駄なく掛け鈎を使えるかを解説していきます。
この記事を読めば自分が
- 掛け鈎を自作したほうが良い
- 出来合いものの掛け鈎を買って使った方が良い
- 自作と出来合いものの両方を使い分ける方が良い
かどうか分かるようになります。
鮎の友釣りの掛け鈎の自作をするべきかどうかを考えている人は是非最後まで読んでみて下さい。
結論:自分の考え方に合わせて自作と出来合いものの購入を組み合わせるのがベター
人によって「自作をしたほうが良い部分」と「出来合いものを買ったほうが良い部分」は違ってきます。
私の場合だと掛け鈎に対しては
- 1組の掛け鈎はなるべく安くしたい
- 掛け鈎自作のために時間を確保するのは十分可能
- 使いたい掛け鈎が出来合いものに無いことがある
- 終盤の大鮎の掛け鈎はあまり出番がないので在庫は少しでよい
というように考えていて、以下のように掛け鈎の自作と出来合いものの購入を組み合わせています。
- メインで使う4号~7号のイカリ鈎は自作する
- 大鮎用の8号~9号の掛け鈎はあまり使わないので、8組ぐらい入っている出来合いもののを使って1~2シーズンで使い切る
❶の理由はイカリ鈎は3本イカリと4本イカリの両方を使うのでバラ鈎から自作して必要な本数だけ作るのに効率がよいのと、使う本数が多いので自作した場合のコストダウンの効果が大きいことが理由。
❷の理由はあまり使わない鈎をバラ鈎で買っても使い切るまでに何年もかかってしまい、その間に性能の良い鈎が発売されてしまうと、そちらを使うようになって古いバラ鈎が余るようになってしまうからです。
人によっては全て出来合いものを購入した方が良い場合もありますし、全て自作の方が良いと考える人もいるでしょう。
人それぞれ価値観や優先順位は違います。自分にとって、どのように掛け鈎を調達した方がいいのかを考えて、自作と出来合いものの購入を組み合わせていくと無駄なく掛け鈎を使うことができます。
掛け鈎自作をするのは鮎釣りにハマってからで良い
鮎釣りを始めてすぐに掛け鈎の自作をする人は少ないと思いますが、鮎釣りにハマるまでは市販の出来合いものを使いましょう。
「自作」は鮎釣りにハマってからでも全然問題ありません。
- 周りの人が自作をしているから自作したほうが良いのかな?
- 自作の掛け鈎のほうが釣れる確率が高いんじゃないの?
- 自作のほうが安くてお得!
と思っているのならそれは間違いです。
現在の出来合いものは高性能でよく鮎は掛かるし、釣行回数によっては出来合いものを使ったほうが安いケースもあります。
鮎釣りにハマって釣行回数が多くなり、色々な掛け鈎を使いたくなってから自作を始めるようにしましょう。
掛け鈎を自作するメリット3点
1組あたりを安くできる
自作は時間はかかりますが、掛け鈎1組あたりにかかるコストは出来合いものを購入するより安くできます。
ただし、釣行回数が少なく、使用する掛け鈎が少ないと効果は薄いので注意しましょう。
実際に私が使用している「がまかつのMシステムEX4本イカリ鈎」で比べると1組あたり約64円自作のほうが安くなります。
自作は1組あたり約106円、出来合いものを購入すると1組あたり約170円。
私の場合はシーズン中に使う鈎の本数は約80本~100本程度なので、出来合いものを使った場合と比べて約5,000円~6,000円程度安くなりますね。
かかる費用の詳細は以下に記載していますので興味のある方は読んでみて下さい。
がまかつ MシステムEX4本イカリ自作費用
1組あたり約106円
バラ鈎:がまかつ MシステムEX 5.5号(84本入り) 2,079円 4本あたり約100円
ハリス:サンライン ハイコンタクト 50m 1,260円 1本(15cm)あたり約3.8円
根巻糸:がまかつ ナイロン根巻糸 中(0.2号)100m 673円 1回使用あたり30cm使用で約2円
がまかつ MシステムEX4本イカリ出来合いもの価格
1組あたり約170円
ワンデイパック MシステムEX4本イカリ5.5号 14組入 2,376円
出来合いものにない掛け鈎を作れる
出来合いもののラインナップは定番で無難な組み合わせが多く、マニアックな掛け鈎は自分で作るしかありません。
そんな時に自作できる環境があると、すぐに作って試すことができます。
長年鮎釣りをやっていると
- この鈎にこのハリスを組み合わせたらどうなるかな?
- この鈎で4本イカリを作ったらどうなるかな?
- 号数の違う鈎を組み合わせたイカリ鈎を試してみたい!
など、色んな事を考えついてしまい試してみたくなるんですよね。
私がよく作るのは通称「チラリ」という段違い3本イカリやMシステムEXマイクロの4本イカリで、どちらも出来合いもののラインナップにないので自作しています。
別記事で段違い3本イカリの「チラリ」について詳しく解説していますので興味のある方は読んでみて下さい。
【最強の3本イカリ鈎 チラリ】広い守備範囲とキープ力抜群のマニアックなイカリ鈎の性能と作成方法を完全解説!
思いついた組み合わせの鈎をすぐ作れて試せるのは自作の大きな魅力!
1種類のバラ鈎で種類の違う掛け鈎を作れる
バラ鈎から自作すれば4本イカリと3本イカリを必要な配分で作れるので無駄なく掛け鈎を使うことができます。もっと言えばヤナギやチラシも作れます。
出来合いものは入っている組数が決まっているので、必要がなくてもその組数を買わないといけなくなってしまうんですよね。
「4本イカリはよく使うけど3本イカリはたまにしか使わない」という人にとっては、3本イカリの出来合いものを買うと使い切るまでに時間がかかってしまうので、せっかく買ったのになかなか使いきれないということが起きてしまいます。
鮎釣りの掛け鈎は結構値段が高いため、できれば無駄なく使い切りたいと私は思っているので掛け鈎は自作することが多くなってきました。
その時にハマっている釣り方に合わせて3本イカリ、4本イカリ、ヤナギ、チラシをを作れるので自作は無駄なくバラ鈎を使い切れる
掛け鈎を自作するデメリット3点
作るための時間確保が必要
私の場合4本イカリを1組作成するのに5分程度必要。週1で釣行して10組使う計算だと、1週間に約1時間鈎自作のための時間確保が必要になります。
私にとっては週に1時間確保するのは何てことないですが、仕事が忙しく家に帰っても子供の世話や家事をしないといけないという人にとっては、掛け鈎自作の時間を確保するのが困難な場合があるでしょう。
睡眠時間を削って掛け鈎を作成するのもアリですが、自分で時間をかけて作った仕掛けのほうが出来合いものの仕掛けより釣れる保証はないので、時間がない場合は出来合いものを利用したほうが良いと感じます。
今は完成品の品質が良いので、時間がない時は出来合いものに頼ろう!
速く上手に作るためには数をこなす必要がある
鈎を楽に速く自作するためのサポートアイテムもありますが、速く正確に掛け鈎を自作するためには数をこなすしかありません。
慣れるまでは指が痛くなったり、肩が凝ったり、上手く鈎を巻けなかったりといったことになりますが、根気よく続けていけば通常の3本イカリや4本イカリを巻くのは楽勝になるでしょう。
鈎は大きい方が巻きやすいので、最初は7号ぐらいの鈎から始めてみるのがおすすめ!
私は「イカリマイター」という鈎巻きサポートアイテムを使って、4本イカリを1組巻くのにおよそ5分程度かかります。フリーハンドで巻くよりも楽にキレイに巻けるおすすめアイテムです。
別記事で「イカリマイター」について解説していますので興味のある人は読んでみて下さい。
【鮎のイカリ鈎自作の強い味方】 最高すぎるおすすめ鈎巻き器 イカリマイター
作るための道具を揃える必要がある
掛け鈎を自作するためには、バラ鈎とハリスは当然必要ですが
- 根巻糸
- ボビンホルダー
- 瞬間接着剤
が最低必要になります。
それに加えて快適に掛け鈎を自作しようとするなら以下の3アイテムも必要。
- 鈎巻きサポートアイテム(イカリマイターなど)
- 磁石マット
- 作成をした掛け鈎をストックするケース
全て揃えると7,000円ぐらいは最低かかってしまうので、釣行回数が少ない人にとっては道具を揃える分の費用を出来合いものを購入に使ったほうが良い場合があるでしょう。
まとめ:掛け鈎自作はメリットを理解した上で、自分が必要と思った時に始めれば良い
理由は掛け鈎の自作は鮎釣りをする上で必要不可欠なものではないからです。
私の場合は掛け鈎を自分で作ってみたかったので、鮎釣りを始めてすぐに道具を揃えて自作をするようになりましたが、現在掛け鈎の自作を考えている人に向けては
- 鮎釣りを始めて2~3年の間は、出来合いものの掛け鈎を使う
- 鮎釣りが面白くなってきたら、自作のメリットを理解した上で自作を始める
というようにすることをおすすめします。
自作するのは鮎釣りの楽しさが分かってからでも全然遅くはありません。まずは川に行って楽しく鮎を釣ることに注力しましょう!