がま磯の頂点として君臨する「インテッサ」。
今回はその原点である1991年発売の“初代インテッサ”を最新仕様にする再生計画の第1弾として行った、「ガイドとガイドバランス変更」について徹底解説します。
当時のガイドとガイドバランスは現在と違い、重量やライン放出性能の面で劣っていて、今の磯竿に慣れてしまった体では、使うのに躊躇してしまうような印象を持っていました。
そこで今回、中古で入手した初代インテッサのガイドとガイドバランスを見直し、最新仕様へとアップデート。
どのガイドを選び、どのような手順で交換したのか、実際にかかった費用や注意点も含めて詳しく紹介します。本記事で“初代インテッサが生まれ変わる第一歩”をご覧ください。

第2弾ではリールシートの変更を計画しています。
【竿の解体】ガイドを外し各節をバラす

初代インテッサの再生にあたり、まずはガイドを外し各節をバラす「竿の解体」から着手します。結論から言えば、竿をバラすという工程において、35年前の磯竿も最新の磯竿と違いはありません。
振り出し竿の基本構造は、この数十年の間で変わっていないため、作業はトップガイドから順番に外していき、各節を抜き出していくだけです。
基本的なバラし方の詳細については、別の記事「【磯竿ガイド交換徹底解説】古の竿のガイドを最新TC-IMガイドへ交換してみた」にて解説していますので、ガイド交換に興味のある方はぜひ併せて読んでみてください。
【磯竿ガイド交換徹底解説】古の竿のガイドを最新TC-IMガイドへ交換してみた
35年前の竿だからといって、竿をバラすことに身構える必要はありません。しかし、万が一ブランクスが破損してしまうとパーツがないため「替えが効かない」ということは作業するにあたり意識しておく必要があります。

一つ一つの作業を、現行モデル以上に丁寧かつ慎重に行っていきましょう。
【見た目を整える】前オーナーのネーム消し

今回入手した初代インテッサには前オーナーのネームが入っていたため、竿をバラした後はネーム消しの作業に着手します。
せっかくの名竿を自分の相棒として蘇らせる以上、やはり他人の名前が入ったまま使うのは抵抗があるもの。愛着を持って使い倒すためにも、避けては通れない工程です。

ネーム部分は金色の文字で、上からエポキシコーティングされています。まずはこのコーティングを剥がすため、溶剤の「トルエン代替品」を使用しました。

トルエンはシンナー臭が強いです。風通しの良い場所でマスクを着用して作業することをおすすめします。
エポキシコーティング除去作業の手順は以下のようになります。
- ティッシュにトルエンを染み込ませてネーム部分に巻き、さらに上からサランラップを巻いて蒸発を防ぎます。
- そのまま1時間ほど置き、エポキシをふやかします。
- ラップとティッシュを外し、定規などでこすり落とします。上手くいけば、エポキシがボロボロと崩れるように剥がれていきます。



エポキシコーティングの除去は簡単ですが、文字部分の除去は難所です。
金色の文字部分が驚くほど強固に密着しており、トルエンを染み込ませても全く剥がれる様子はありません。「これなら上からコーティングしなくても剥げないのでは?」と思えるほどの密着度に対し、私はカッターで文字を慎重に削り取るという「強行手段」を選びました。

ブランクスに付いたカッターの傷を消すため、1000番のサンドペーパーで表面を整えます。

そしてコンパウンドを使いキズを徐々に消していきます。使用したコンパウンドは車用の液体コンパウンドです。
コンパウンドは3000番(キズ消し)、7500番(仕上げ)、9800番(鏡面)の順番で磨きます。
キレイに仕上げるためには3000番のコンパウンド磨きを時間をかけて丁寧にやることが重要です。ここで1000番のサンドペーパーのキズをキレイに消すことができれば、その後の7500番と9800番の磨きで非常にキレイに仕上がります。



あわせて竿全体にある傷部分をコンパウンドで磨いたことで、爪に掛かるような深い傷こそ残ったものの、薄い傷は消すことができ、竿全体をキレイに整えることができました。
ネーム消しは想像以上に手間のかかる作業でしたが、時間をかけて丁寧に作業することで納得のいく外観にすることができます。もし同じ悩みを持つ方がいれば、ぜひ今回紹介した方法を参考にしてみてください。
【穂先の新調】がま磯Re穂先へアップグレード

今回の再生計画において、初代インテッサのポテンシャルを引き出すため、穂先をがまかつ純正パーツ「がま磯Re(アールイー)穂先」に交換することにしました。
というのも、今回中古で購入した竿に付いていた穂先は社外品(非純正)に交換されており、長さも標準の穂先と比べ8cm程度短く、初代インテッサの良さが損なわれているのではないかと考えたからです。
そこで目をつけたのが、パーツ供給が終了した往年の竿たちを蘇らせるために、がまかつが用意している「Re穂先」です。これは歴代のがま磯(上物フカセ竿・0号〜2号クラス)に幅広く対応している互換パーツで、もちろん初代インテッサにも適合します。

がま磯Re穂先について
- ラインナップ:竿の長さと号数に応じた全9種類(Aタイプ〜Iタイプの表記)
- 適合する竿:歴代のがま磯上物フカセ竿の主に0号〜2号クラスの竿
- 性能:繊細さ、感度、強度に優れたスーパートップ2ソリッド穂先
- 入手方法:がまかつロッド取扱店にて注文

がまかつではRe穂先に対応するIMガイドも用意があり、がまかつロッドの取扱店からパーツとして注文可能です。
35年前の竿に最新の技術と素材で作られたスーパートップ穂先を装着できるのは、非常にメリットが大きいと感じます。
「Re穂先」へと換装した結果、初代インテッサの穂先の「しなやかさ」「感度」「強度」は飛躍的に向上。魚に違和感なく食い込ませることができ、ラインから手元に伝わる情報も明確になります。また、Re穂先に施されている塗装はラインのベタつきを抑える艶消し仕様のため、ラインをスムーズに放出できるようになるメリットもあります。
【ガイド交換とセッティング】TC-IMガイド換装と現代のガイドバランスの採用

今回の再生計画において、最も大きな変更点がガイドセッティングです。
初代に元々付いていた古いガイドはすべて取り外し、現行のハイエンドモデルに採用されている最新の「TC-IMガイド」へと一新。さらに、配置(ガイドバランス)を現代の磯上物竿と全く同じ仕様へと変更しました。
この変更を行った理由は、実釣時のライントラブルを徹底的に排除し、現行のロッドと同レベルの使用感にするためです。また、単なるガイド交換にとどまらず「ガイドバランスそのもの」を見直した背景には、「古いロッドならではの仕様」に対応する必要があったからです。
最新のTC-IMガイドは、フレームの傾斜構造によって、「穂先への糸絡み」を激減させてくれます。ラインが絡んでも竿を振るだけでスルリと解けるため、不意の穂先折れトラブルや実釣時のストレスから完全に解放されます。さらに、チタンフレームとカーボンパイプによる軽量化と高剛性は、感度の向上や持ち重りの軽減に直結する大きなメリットです。
しかし、ここで一つ問題が発生しました。TC-IMガイドは最大パイプサイズが「16.0」までしか展開されておらず、初代インテッサの元竿口金部分(外径16.7)に適合するガイドが存在しなかったのです。

そこで私は、元竿の玉口固定ガイドを思い切って廃止。現行の磯竿で主流となっている、「元上(4番節)に遊動ガイドを配置する」現代のガイドバランスを採用することにしました。これにより、サイズ不足の壁をクリアしつつ、「よりバランスの良い竿の曲がり」と「スムーズなライン放出」ができるようにしたのです。
ガイドサイズの制約を現代の竿と同じ仕様にすることでクリアし、最新のTC-IMガイド仕様へと生まれ変わった初代インテッサ。実釣性能の底上げにより最新の竿と同感覚で使うことができるようになりました。
【細部へのこだわり】元竿玉口へ現行パーツのリングを流用

元竿の玉口固定ガイドを廃止したことに伴い、元竿玉口部分には、現行のがま磯ロッドに採用されている純正の「リング」を流用・移植することにしました。

補強のない元竿玉口部分は、ぶつけてしまった場合に破損リスクが高くなります。メーカーの替えパーツが存在しない古い竿だからこそ、玉口の補強は絶対に必要な作業だと判断したからです。
しかし、ここから「現在パーツ注文できる竿で、どのリングが適合するのか」を探し出す検証が必要になりました。メーカーに直接問い合わせることも考えましたが、まずは手持ちの竿とデジタルノギスを駆使し、自力で適合サイズを割り出すことに。その試行錯誤の過程を以下にまとめてみました。
【リングの選定】初代インテッサに適合するリングを探す

ステップ1:初代インテッサの元竿計測と候補絞り込み
初代インテッサの元竿玉口外径を測定したところ、約16.70mm。手持ちの竿の中から外径が近い「デニオス 2号-50(16.60mm)」と「インテッサG-V 2号-50(16.75mm)」の2本を候補に挙げました。

ステップ2:最初の失敗と気付き
「玉口の塗装を少し削れば入るだろう」と踏み、まずはデニオスのリングを発注。しかし、届いたリングは内径が16.0mmしかなく、全く入りません。元径16.6mmの竿になぜ16.0mmのリングが入るのか疑問でしたが、どうやら「リングを付けた後からクリア塗装をしている」ため、このような結果になるのだと気付かされました。

ステップ3:インテッサG-Vのリング内径を逆算する
失敗を糧に、今度はインテッサG-Vのリング内径を割り出しました。
- インテッサG-V(2号-50)のリング外径を測定:17.50mm
- デニオス用リングの「厚さ」を測定:0.47mm
- 外径から厚さ2面分を引いて内径を推測:17.50 – (0.47×2) = 16.56mm

初代インテッサの外径16.70mmに対して16.56mmのリング内径は対応できると判断。

ステップ4:ジャストフィットへの微調整
「これならいける」と確信してインテッサG-V用のリングを注文。届いたパーツは想定通り少しキツめだったので、元竿の塗装を薄く削ることで、無事にジャストフィットさせることができました。
【リングの接着】ガイド合わせマークをアジャストする

無事にリングのフィッティングが完了したら、いよいよ最終工程である接着です。ここでは、リングに刻まれている「ガイド合わせマーク」を、竿の中心(センター)に合わせて接着していきます。
この位置合わせをしないと、実釣時に竿を伸ばす際、ガイドをスムーズに一列に揃えることができなくなってしまいます。釣行時の快適なセッティングを左右する、地味ながらも重要な作業です。
しかし、元竿には「どこが竿の中心か」を示す基準がありません。そのため、自力でセンターラインを見つけ出す必要があります。そこで私は以下のようなアプローチを試みました。


・センターラインの割り出し:
リールシートの縦方向の中心を「基準」とし、そこから玉口(先端)方向に向かって糸を真っ直ぐにピンと張ることで、簡易的なセンターラインを導き出しました。
・許容範囲の考え方:
今回のやり方では厳密な中心は出せませんが、実釣においてガイドがわずかにズレていたとしても、使用上の問題は全くありません。「おおむね真っ直ぐ」が目視で確認できれば、実用上は必要十分です。
・接着作業:
位置が決まったら、ガイドの接着でも使用した「2液型エポキシ接着剤」を使い、リングを接着します。ガイド接着時と同様、竿のブランクス側に薄く接着剤を塗布してから、マークがズレないよう慎重にリングを押し込み、固定しました。


ガイド合わせマークを竿の中心へとアジャストしリングを装着したことで、「スムーズな現場セッティング」と「使用に耐えうる補強」が完成。同時に、玉口部分が引き締まり、まるで現行モデルかのような高級感あふれる外観へと生まれ変わりました。
【改造費用詳細】費用も時間もそれなりに必要

今回の「初代インテッサ再生計画・第1弾」を完遂するにあたり、最終的にかかった費用の総額は37,795円となりました。35年前の竿を現代仕様へアップデートするためには、それなりの予算が必要になるというのが一つの結論です。

妥協せずにパーツを選定したため、費用は高額となってしまいました。
これだけのコストになった最大の理由は、「Re穂先スーパートップ2」と「12個のチタンガイド」にあります。がまかつの最新ソリッド穂先とチタンとカーボン樹脂からなる最新のガイドで総費用の約8割を占める結果となりました。
実際に今回の改造を進める上で、私が購入したアイテムの内訳は以下の通りです。
| 購入アイテム | 用途・詳細 | 価格(税込) |
| Re穂先スーパートップ2(Fタイプ) | 穂先の新調 | 17,600 |
| 富士工業ガイド T-KGST 4.5-0.8 | #1トップガイド | 1,485 |
| 富士工業ガイド TC-IMSG 4.25-1.0 | #1フリーガイド | 825 |
| 富士工業ガイド TC-IMSG 4.25-1.4 | #1フリーガイド | 825 |
| 富士工業ガイド TC-IMSG 4.25-2.0 | #1フリーガイド | 825 |
| 富士工業ガイド TC-IMSG 4.25-2.6 | #1フリーガイド | 825 |
| 富士工業ガイド TC-IMSG 4.5-4.5 | #2固定ガイド | 880 |
| 富士工業ガイド TC-IMSG 4.5-5.0 | #2フリーガイド | 880 |
| 富士工業ガイド TC-IMSG 4.5-6.0 | #2フリーガイド | 935 |
| 富士工業ガイド TC-IMSG 5-8.2 | #3固定ガイド | 1,045 |
| 富士工業ガイド TC-IMSG 5.5-9.7 | #3フリーガイド | 1,155 |
| 富士工業ガイド TC-IMSG 7-12.7 | #4固定ガイド | 1,375 |
| 富士工業ガイド TC-IMSG 9H-14.0 | #4フリーガイド | 1,705 |
| がま磯デニオス 2号-5.0m用口金 | 元竿玉口補強用 (サイズ不適合で不採用) | 1,100 |
| がま磯インテッサG-Ⅴ 2号-5.0m用口金 | 元竿玉口補強用 | 2,200 |
| 2液型エポキシ接着剤 | ガイドおよび口金の接着用 | 667 |
| トルエン | 前オーナーのネーム消し・エポキシ剥離用 | 1,988 |
| 液体コンパウンド | ブランクスのキズ消し・鏡面仕上げ用 | 1,480 |
合計金額37,795円は、中古で購入した初代インテッサ1.5号-5.3mの価格25,190円を大幅に上回る費用を投じることになってしまいました。
しかし、一連の改造を終え、最新モデルに劣らない操作性を手に入れた初代インテッサに対し、後悔は一切ありません。これだけの費用と時間を注ぎ込んだからこそ、フィールドで使用した時の喜びは格別なものになります。かけたコスト以上の価値を十分に感じさせてくれる、大満足の投資となりました。
【まとめ】ガイドと穂先の変更は竿を劇的に進化させる

今回の「初代インテッサ再生計画」において、最も大きな変革は、間違いなく「ガイド」と「穂先」のアップデートです。
改造後の竿を実際に磯で使ってみると、ガイドと穂先が最新仕様になることが、どれほど竿の性能を飛躍させるかを実感することとなりました。
最新ガイドへの換装は「圧倒的なライントラブルの減少と手返しの向上」を、そして最新穂先への換装は「繊細なアタリを捉えて魚を掛ける確率の向上」を、実現してくれます。
・TC-IMガイドがもたらした「トラブルレスな世界」
このガイド最大の恩恵は、やはり「糸絡みが極めて少なく、万が一絡んでも竿を振るだけで簡単に解ける構造」にあります。1991年当時のオリジナルガイドと比較するとその差は歴然。使用時にラインの引っ掛かりを一切気にすることなく、現代基準の快適な手返しを実現してくれます。
・Re穂先スーパートップ2がもたらした「高感度と喰い込みの良さ」
がまかつ最新のソリッド穂先が生み出すしなやかさと高感度は、魚に違和感を与えず喰い込ませるだけでなく、仕掛けからの微かなシグナルを明確に手元まで伝えてくれます。これによって、アタリを確実に捉えて「魚をフッキングに持ち込む確率」が劇的に向上しました。
中古で購入した当時の「どこか頼りなかった状態」と、今回の「最新パーツ換装後」の性能を比べれば、どちらが優れているかはもはや言うまでもありません。
最新のTC-IMガイドとRe穂先を纏った初代インテッサは、現行のロッドと比べても決して引けを取らない、操作性と感度を手に入れることに成功したのです。
「ガイドと穂先を変えるだけで、竿は劇的に生まれ変わる」
今回の改造で実用上、十分と言える大満足の進化を遂げることができました。
初代インテッサの改造は、まだまだ続きます。
次なる計画は「リールシートの変更」と「グリップ周りの変更」。竿と人との接点にさらなる快適性とホールド性を追究する、【インテッサ再生計画・第2弾】に向けて動き出しています。
次の改造の完成がいつになるかはまだ未定ですが、改造が完成したあかつきには、またこのブログにてご報告します。ぜひ楽しみにお待ちください!