「押入れに眠っている往年の名竿を、もう一度フィールドで使ってみたい。」
そんな思いから、今回はがまかつの名竿「初代インテッサ」のガイドを、最新のカーボン樹脂&チタンフレームを搭載したTC-IMガイドへと交換しました。
私自身、ガイド交換を何回か実施し、実際に失敗しながら作業を進める中で「失敗しないためのコツ」や「失敗しないガイドサイズの選び方」が分かってきました。
この記事では、磯竿のガイド交換手順から、購入時に間違えやすいガイドのサイズ選定のポイントまで、実体験をもとに徹底解説します。
この記事を読めば、眠っていた古い竿のガイドを「最新スペック」へと生まれ変わらせることができます。愛着のある一本を自分の手でリビルドしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
【磯竿ガイド交換の鉄則】穂先側から外し、元竿側から付ける

ご存知の方も多いと思いますが、磯竿のガイド交換において絶対に守るべき鉄則があります。それは、「外すときは穂先側から、付けるときは元竿側から」というルールです。
なぜなら、ガイド付振り出し竿の構造上、この手順を守らないと物理的に分解や組み立てができなくなってしまうからです。
例えば、先に#2(2番節)の固定ガイドを外したとしましょう。ガイド自体はフリーになりますが、穂先(#1)にガイドが付いたままだと、穂先を抜き取ることができず、結果的に#2を竿尻から抜き取ることができません。
逆に組み立てる際も、先に穂先と#2を組み合わせて固定ガイドを接着してしまうと、そのガイドが邪魔になり、#3(3番節)の中に通すことができなくなります。
このように、ガイド付振り出し竿は「ガイド」の存在によって、手順を間違うと作業が行き詰まってしまいます。
スムーズな交換作業を行うために、「外すのは上から、付けるのは下から」という基本を必ず頭に叩き込んでおきましょう。それでは、次項から具体的なガイドの外し方と、組み立ての手順を詳しく解説していきます。
ガイドを外してバラす手順
一般的な5本継の磯竿を分解する場合、作業は以下のステップで進めていきます。基本的には「1番上のパーツから、1つずつ外していく」というイメージです。
- 穂先(#1)をバラす
・トップガイドを外す
・遊動ガイドを抜き取る
・節(#1)を元竿の竿尻側から抜き取る - #2をバラす
・固定ガイドを外す
・誘導ガイドを抜き取る
・節(#2)を元竿の竿尻側から抜き取る - #3をバラす
・固定ガイドを外す
・誘導ガイドを抜き取る
・節(#3)を元竿の竿尻側から抜き取る - #4をバラす
・固定ガイドを外す
・誘導ガイドを抜き取る
・節(#4)を元竿の竿尻側から抜き取る
そして、振り出し竿の構造上、「途中にあるガイドや節だけを抜き出す」ことはできません。
たとえば、もし一番手元の「#4の固定ガイド」だけが破損して交換したい場合でも、トップガイドから#3の節まですべて(工程の1〜3)を順番に外していく必要があります。

1ヶ所の交換だけでも「全体の解体」が必要になるケースがあるのが「ガイド付き振り出し竿」なのです。
ガイドを付けて組み立てる手順
バラバラにしたパーツを再び一本の竿に戻す作業は、先ほど解説した「外す手順」の真逆を行えばOKです。
ただし、固定ガイドは接着剤するため、順番を間違えるとやり直しが面倒になります。以下のステップを1つずつ確実に進めましょう。
- #4を組み立てる
・元竿の竿尻側から、節(#4)を差し込む
・遊動ガイドを通す
・固定ガイドを位置に合わせて接着する - #3を組み立てる
・元竿の竿尻側から、節(#3)を差し込む
・遊動ガイドを通す
・固定ガイドを位置に合わせて接着する - #2を組み立てる
・元竿の竿尻側から、節(#2)を差し込む
・遊動ガイドを通す
・固定ガイドを位置に合わせて接着する - 穂先(#1)を組み立てる
・元竿の竿尻側から、節(#1)を差し込む
・遊動ガイドを通す
・トップガイドを接着する
組み立てにおける最大の失敗は、「遊動ガイドの入れ忘れ」や「誘導ガイドを入れる順番の間違い」です。
固定ガイドを接着してしまうと、その下にある遊動ガイドを入れ替えるには再度固定ガイドを外さないといけません。必ず「ガイドの数と順番は合っているか?」を確認するクセをつけましょう。
【ガイド外しの初歩】トップガイドの外し方と穂先の処理

ガイド付きの振り出し竿の修理やカスタムで最も多く、初歩とも言える作業がトップガイドの外し方です。トップガイドを、ご自身で外したことのある方も多いのではないでしょうか?
トップガイドの取り外しから、新しいガイドを付けるための準備までは、以下の3ステップで行います。
- トップガイド部分をライターで軽く炙り接着剤を溶かす
- トップガイドを真っ直ぐに引き抜く
- トップガイドをスムーズに入れるために穂先先端部を整える

一見すると単純な作業ですが、炙りすぎやねじりながらの引き抜きは、穂先の破損に直結します。
次項からは、それぞれの工程の具体的なやり方と、失敗しないための注意点を詳しく解説していきます。
①トップガイド部分をライターで軽く炙り接着剤を溶かす

トップガイドを外すための最初のステップは、内部で固まっている接着剤を熱で溶かすことです。ここで絶対に守るべき注意点は、「1ヶ所に火を当て続けないこと」、そして「ブランクスに直接火を当てないこと」の2点です。
なぜなら、トップガイドが差し込まれている穂先は熱を持ちすぎるとブランクスがダメージを受けてしまい、直接火を当ててしまうと、あっという間に焼けてしまうからです。

具体的には、以下の手順で慎重に作業を進めましょう。
- ライターを左右に動かしながら、ガイドの「パイプ部分」だけを「なでる」ように火を当てます。
- 最初から長時間炙るのではなく、「数秒炙っては、一度引っぱってみる」という動作を繰り返してください。
- 抜けない場合は、少しずつ熱を加える時間を増やしていきます。

「一気に抜こう」と焦って熱しすぎるのは禁物です。
ブランクスを焼いてしまわないよう、「必要最小限の熱」で少しずつ接着剤を溶かしていくのが成功の秘訣です。
②トップガイドを真っ直ぐに引き抜く

トップガイドを引き抜く時の鉄則は、「とにかく真っ直ぐに引き抜く」ことです。
ここで絶対にやってはいけないのが、「ねじりながら抜く」という動作です。なぜなら、穂先先端は非常に細く、ねじれに対して極めて弱いからです。抜けないからといって左右にひねりながら力を入れてしまうと、穂先はいとも簡単に折れてしまいます。
スムーズかつ安全に作業を進めるためのポイントは以下の通りです。
- やけど対策: 炙ったガイドは高温です。必ずペンチや布を使って掴みましょう。
- キズ防止のひと工夫: ペンチでガイドを直に掴むとキズが付くため、再利用する予定があるなら、ペンチの先にマスキングテープを巻くか、布越しに掴むのがよいでしょう。
- 無理は禁物: 引っ張っても抜けない場合は、無理をせず再度ライターで数秒炙り、接着剤をさらに溶かしてから再チャレンジしましょう。
ガイド交換時に穂先を折ってしまっては元も子もありません。「ひねらず、真っ直ぐ」。この1点を徹底することが、繊細な穂先を守るための唯一の方法です。
③トップガイドをスムーズに入れるために穂先先端部を整える

トップガイドを抜き取った直後の穂先先端部は、古い接着剤が固着してデコボコしていたり、表面が荒れていたりするので、カッターやサンドペーパーを使って表面を軽く削り、きれいに整えてあげましょう。
なぜこの工程が必要かというと、新しく取り付けるトップガイドのパイプ径によっては、わずかな接着剤の残りカスがあるだけで、途中で引っかかって奥まで入らなかったり、無理に押し込もうとして穂先を痛めたりする原因になるからです。
作業を成功させるためのポイントは以下の通りです。
- 「削る」ではなく「撫でる」: 先端のデコボコを削り取るのではなく、表面の汚れを落とすイメージです。サンドペーパーやカッターの刃を立てて「軽く撫でる」ように動かします。
- 力加減に細心の注意を: 先端部は非常に繊細です。力を入れすぎると、それだけで穂先がポキリと折れてしまいます。
- 仮合わせを繰り返す: 少し整えたら新しいガイドを差し込んでみて、フィット感を確認しながら進めるのが失敗しないコツです。

サンドペーパー使用時は余計な部分を削らないようにマスキングテープを巻いておきましょう。
穂先を整える工程は必須ではありませんが、「トップガイドをスムーズに装着する」ためには欠かせない下準備です。
【ガイド外しの難関】固定ガイドを外す【#2〜#4】

#2節以降の固定ガイドを取り外す作業は、ガイド交換において最大の難所と言えます。
トップガイドであればライターで炙って接着剤を溶かせますが、#2以降の固定ガイドは火で炙るとブランクスとガイドのパイプ部分が焼けてしまうため、高い熱を加えることができません。そのため、物理的な衝撃や圧力を加えて「力技」で外す必要があるからです。

#2以降の固定ガイド外しは竿が破損するリスクが高いので慎重な作業が求められます。
固定ガイドを外す方法は4種類あります。
- 【お手軽】固定ガイド部分を元竿側の竿部分に叩きつけて外す。
- 【2人必要】モンキレンチとハンマーを使って外す。
- 【難易度高め】万力を使って外す。
- 【最終手段】ガイドを破壊する。
それぞれの手法ごとにメリットとデメリットが異なるので、自分の状況に合った最適な方法を選べるよう、詳しく解説していきます。
【お手軽】固定ガイド部分を元竿側の竿部分に叩きつけて外す

固定ガイドを外す方法として、もっとも手軽なのが、この「叩きつけ法」です。
なぜなら、特別な道具を一切必要とせず、「外したいガイドが付いている節を伸ばし、そのまま元竿方向へ勢いよく叩きつける」だけで作業が完結するからです。
この方法を実施するにあたり、以下の「2つの事前準備」が必要となります。
- 尻栓を必ず外しておく: 尻栓がついたままだと、叩きつけた際に節の末端が先に尻栓に底突きしてしまい、ガイド部分に衝撃が伝わりません。必ず尻栓を外しておきましょう。
- クッション(雑誌やタオル)を敷く: ガイドが外れた瞬間、節は勢いよく下に落ちます。床がコンクリートなどの硬い場所だと、節の末端(元側)が激突して破損する恐れがあるため、必ず衝撃を吸収するものを敷いてください。

この方法の最大のメリットは、技術が不要で誰でもすぐに試せることです。
一方で、ガイドのパイプ部分や節の玉口(先端部)を痛めるリスクというデメリットもあります。接着が強固な場合、何度も叩きつけるうちに衝撃でガイドのパイプが割れたり、元側の節の玉口が欠けたりすることもあるのです。

「尻栓が外れない竿」では使えない手法であるのもデメリットになります。

「手軽にできる反面、パーツへの負荷も大きい」という特徴を理解した上で、まずは数回試してみて、外れる気配がなければ無理をせず別の手法に切り替えるのが賢明です。
元竿の固定ガイドは叩きつけて外すことができない
元竿の玉口部分に固定ガイドが付いている竿は、それより下に節がないため、叩きつけることができず、「叩きつけ法」が使えません。そのため「叩きつけ法」以外の方法を使って外すようになります。
【2人必要】モンキレンチとハンマーを使って外す

固定ガイドを外す手法の中で、最もおすすめなのが「モンキレンチとハンマー」を使う方法です。
なぜなら、この方法は外したいガイドにピンポイントで衝撃を伝えられるため、ブランクスや他のパーツを傷めるリスクが最小限で済むからです。また、叩きつけ法とは異なり、「尻栓が固着して外れない竿」であっても、作業を進めることができます。
具体的な手順は以下の通りです。
- 竿にキズが付かないように固定ガイドから2cm程度、竿部分にマスキングテープを巻く。
- モンキレンチの挟む部分にもキズ防止のためマスキングテープを貼る。
- 1人が「ガイドを外したい節」をしっかり両手で保持します。
- 固定ガイドのパイプ部分をモンキレンチで挟む。
- モンキレンチをハンマーでトントンと叩き、ガイドを外す。
モンキレンチとハンマーを使って固定ガイドを外す方法は、「釣具のイシグロ」さんのYoutubeチャンネルで紹介されている方法です。
この方法の最大のメリットは、狙ったガイドだけに衝撃を与えるため「パーツの破損リスクが少ない」ことにあります。唯一のデメリットは、竿を保持する人と叩く人の「2人体制」が必須であることです。
道具と人手は必要ですが、愛着のある大切な竿のガイドを安全に外したいなら、「モンキレンチとハンマー」を使う方法がおすすめです。
【難易度高め】万力を使って外す

ガイドの最大手メーカーである富士工業のカタログで紹介されているのが、この「万力」を活用した手法です。メーカー推奨という点では信頼感がありますが、難易度が高く、正直なところ一般の方にはあまりおすすめできません。
最大の理由は、多くの家庭にはない「万力」という工具が必須であること。そして何より作業に「高度な技術」が求められるからです。
具体的な手順は、以下の通りです。
- キズ防止のために万力の挟む部分にマスキングテープを貼る
- あらかじめ万力の挟む幅を外す固定ガイドの広さに調整する
- 外す固定ガイド部分をドライヤーで熱し、接着剤を柔らかくする
- 素早く万力にセットし、まっすぐに竿を引き抜く
万力にセットするまでは誰でもできますが、問題は最後の「真っ直ぐ引き抜く」という動作です。竿を引く抜く力の入れ加減や手元の狂いで、引き抜いた勢いでブランクスを万力の角にぶつけてしまうリスクが非常に高いのです。

私は万力を使う方法は「竿をぶつけて傷をつけてしまう未来」しか見えません。
道具の準備から作業の精密さまで、すべてにおいて難易度が高いため、まずは他の方法を試し、それでもダメな時の選択肢として考えておくのが良いでしょう。
【最終手段】ガイドを破壊する

これまで紹介した方法を試してもビクともしない。そんな時の最後の一手が、固定ガイドを「破壊して取り除く」という手法です。
当然ですが、この方法を使うとそのガイドは二度と使えなくなり、ゴミとなってしまいます。私も初代インテッサの交換時は使いませんでしたが、別の竿の#2ガイドがどうしても外れなかった際、この方法で突破しました。
具体的な手順と注意点は以下の通りです。
- 用意するもの: 細い「棒ヤスリ」を使用します。
- 削る場所: ガイドの足の根元付近を削るのがおすすめです。ヤスリの接点を固定しやすく、安定して作業が進められます。
- 竿の保護: 手元が狂ってブランクスを傷つけないよう、ガイド周辺の竿部分には必ずマスキングテープを巻いて保護しましょう。
- 慎重に削り進める: 金属のフレーム部分を削り切り、中の樹脂パイプが見えてきたら要注意。樹脂はあっという間に削れてしまうため、こまめに状態を確認しながら、「絶対にブランクスまで削らない」よう細心の注意を払ってください。
私が使用した棒ヤスリは、以下の径が0.8mm〜1.5mmの4種セットです。これは後に解説する「新しいガイドのパイプ内径の微調整」にも使えるため、持っておくと非常に重宝します。
ガイドを破壊するのは気が引けるかもしれませんが、新しいガイドに付け替えるのが目的であれば、竿本体を痛めるリスクを負ってまで無理に叩くより、「ガイドを犠牲にしてブランクスを守る」のは非常に賢い選択肢となります。
【スムーズにガイドを接着するために】口金部の残った接着剤の除去方法

固定ガイドを外した後の口金部分には、古い接着剤がこびりついています。結論から言えば、残った古い接着剤はできる限りきれいに除去してください。 これを怠ると、新しいガイドのサイズ選びで失敗したり、取り付けがスムーズにいかなくなったりするからです。
具体的に、接着剤を除去すべき理由は以下の2点になります。
- 正確な寸法が測れない: 新たなガイドを購入する際、口金部の外径を0.1mm単位で計測する必要があります。接着剤が残っていると断面が歪な形になり、誤った寸法のガイドを買ってしまうリスクが高まります。
- 装着時の干渉を防ぐ: 古い接着剤による凹凸は、新しいガイドが奥まで入らなかったり、向きの微調整ができなかったりする原因になります。

無駄な買い物をしないためにも、しっかりと残った接着剤を除去することをおすすめします。
私はいつも、以下のやり方で残った接着剤を除去をしています。
- 残った接着剤部分をドライヤーなどで温める。
- 爪やプラスチック定規などでこそぎ落とす。
- 爪や定規で落ちない場合はカッターで削り落とす。

カッターの使用は「竿にキズが付くのでは?」と心配されるかもしれませんが、口金部分は新しいガイドのパイプで完全に隠れてしまう場所です。
私はスムーズなガイドの接着を優先し、カッターで平滑にすることを重視しています。どうしてもキズが気になるようなら、仕上げに目の細かいサンドペーパーやコンパウンドで整えれば完璧です。

「正しいサイズを選び、キレイに接着する」。満足できる仕上がりを手に入れるために、古い接着剤の除去という地味な工程を丁寧に行いましょう。
ガイドのサイズ測定と購入

新たにガイドを購入する際に最大の壁となるのが「どう測り、どのサイズを買えばいいのか?」という点です。
結論から言えば、「小数点以下第2位まで表示できるデジタルノギス」でガイドの停止位置を正確に測定し、その数値をもとに「わずかに小さめ」のガイドを選ぶのが正解です。
なぜ100円ショップなどの簡易なノギスではなく、精密なデジタルノギスが必要なのか。それは、ガイドの世界では0.1mmが、0.11mmなのか0.19mmなのかによって、選ぶべき適合サイズが変わってしまうからです。
私は以下のデジタルノギスを愛用しています。
竿のどの部分を測定するのか?

測定する場所はガイドの種類によって異なります。
- 固定ガイド:接着する部分(口金部分)
- 遊動ガイド:ガイド合わせマークの最も先端側の部分
遊動ガイドでガイド合わせマークの最も先端側を測る理由は、ガイドがマークの位置で確実に止まるようにするためです。もし大きすぎるサイズを選んでしまい、マークを通り過ぎて元竿側に落ちてしまうと修正は困難です。しかし、少し小さめのサイズを選んでおけば、後からパイプ内径をヤスリで削って、狙った位置にピタリと止まるよう微調整ができるのです。
ガイドを止めたい部分のサイズを正確に測り、それに合ったサイズのガイドを購入したとしてもパイプ径の誤差があるので、必ず狙った位置に止まるとは限りません。
思ったよりサイズが大きくて、元竿側で止まってしまうようなことを起こさないためにも、小さめのサイズを選ぶのがおすすめです。
購入サイズの決定基準
実際に私が「初代インテッサ 1.5号-5.3m」をガイド交換した際の測定結果と、購入したガイドサイズを紹介します。
| ガイド位置 | 測定値(mm) | 購入ガイド リング・パイプサイズ | 購入ガイド種類 |
| #1-TOP | 0.75 | 4.5-0.8 | T-KGST |
| #1-1 | 0.98 | 4.25-1.0 | TC-IMSG |
| #1-2 | 1.41 | 4.25-1.4 | TC-IMSG |
| #1-3 | 1.98 | 4.25-2.0 | TC-IMSG |
| #1-4 | 2.62 | 4.25-2.6 | TC-IMSG |
| #2-1(口金) | 4.45 | 4.5-4.5 | TC-IMSG |
| #2-2 | 5.04 | 4.5-5.0 | TC-IMSG |
| #2-3 | 5.98 | 4.5-6.0 | TC-IMSG |
| #3-1(口金) | 8.23 | 5-8.2 | TC-IMSG |
| #3-2 | 9.70 | 5.5-9.7 | TC-IMSG |
| #4-1(口金) | 12.74 | 7-12.7 | TC-IMSG |
| #4-2 | 14.06 | 9H-14.0 | TC-IMSG-H |
今回のガイド交換の際に、穂先をRe穂先(スーパートップ2)に変更しているのと、元竿の口金ガイドを廃止し、#4の誘導ガイドに変更しているため、純正の初代インテッサ1.5号-5.3mの測定結果とは異なります。
トップガイドは測定サイズよりワンサイズ大きいパイプサイズを選びます。そうしないと穂先先端がトップガイドのパイプに入りません。
トップガイド以外のガイドは「測定値の小数点以下第2位を四捨五入したパイプサイズ」を選びます。しかし、ガイドのパイプサイズが5.0以上になると0.2mmや0.3mm単位でパイプサイズが大きくなるため、適合サイズが無い場合があります。その際は「測定値の小数点以下第2位を四捨五入して、小さい方のパイプサイズ」を選びましょう。
【例:パイプサイズの規格が5.0、5.2、5.5となっている場合】
- 測定値:4.95〜5.14 → 5.0を選択
- 測定値:5.15〜5.44 → 5.2を選択
- 測定値:5.45以上 → 5.5を選択
このようにしている理由は、小さめのパイプであればヤスリで削って穴を大きくすることが容易ですが、大きめのパイプを小さくするのは非常に困難だからです。小さめのパイプサイズを選び、パイプ径を調整するのは多少手間がかかりますが、パイプサイズが大きくて使えないよりは確実に良い選択です。

ガイドのサイズ選びでの失敗から学んだことは「パイプサイズは小さめを選ぶのが吉」ということです。
- トップガイドと口金ガイドは多少ゆるくてもOK
- トップガイドと口金ガイドは接着剤で固定するため、多少緩い状態であっても問題ありません。
大きなガタつきが出るぐらいにサイズが合ってない場合はダメですが、接着剤を付けた状態でガイドの向きを保持できるようなら大丈夫です。
ガイドはどこで購入するのが正解か?
ガイドの購入は断然ネットショップがおすすめです。
なぜなら、ネットでガイドを販売している釣具店は常時在庫を持っている所が多く、注文してすぐに届く場合が多いからです。対して近所にある一般的な釣具店は、ガイドは取り寄せになることがほとんどで、手に入れるまでに時間がかかってしまいます。
私が利用しているネットショップは、楽天市場にある「シマヤ釣具」さんです。ロッドビルディング関係のアイテムに強く、「注文してから発送までが早い」、「ガイド各種の在庫が豊富」、「送料が安い」、といった理由で非常におすすめなショップさんです。
【ガイドを狙った位置に止める】パイプ内径の微調整

「ノギスで測定して買ったはずなのに、ガイドが狙った位置で止まらない……」。そんな状況を解決し、理想のガイドバランスを実現するために不可欠なのが「パイプ内径の微調整」です。
なぜ、精密に計測して購入しても調整が必要なのか?
それは、メーカーの製造誤差や、規格がないサイズが存在するため、既製品を買って通しただけでは「思った通りにいかない」のが当然だからです。むしろ、「少しキツめのものを買って、自分でジャストサイズに微調整」するのが、ガイド合わせの定石と言えます。
具体的には、ガイドの内径をヤスリで慎重に広げていきます。私はガイドの大きさに合わせて、以下のアイテムを使い分けています。
- #1(穂先)のガイド: 極細のダイヤモンドヤスリ
- #2以降のガイド: 丸箸や鉛筆にサンドペーパーを巻き付けたもの
#1に通るガイドは非常にパイプ径が小さいので極細ヤスリが必須です。私が使っているのは以下の「ダイヤモンドシェイパー」というツールで、径が0.8mm、1.0mm、1.2mm、1.5mmの4種類がセットになっています。


調整のコツは、「一気に削らないこと」。
パイプの内側をまんべんなく削ります。「少し削ったら竿に通して確認する」という地道な作業を繰り返しましょう。

削り過ぎてしまうと修正は困難です。「少しずつ」を繰り返し、丁寧に作業しましょう。
ガイドを意図した位置で止めることは、単なる見た目の問題ではありません。竿の曲がりを最適化し、ロッド本来のポテンシャルを最大限に引き出すための極めて重要な工程です。
少し手間はかかりますが、自分の手で「ガイドを狙った位置に止める」ことは、DIYならではの醍醐味です。
【最終工程】組み立てと固定ガイドの接着

すべてのガイドの内径微調整が終わったら、いよいよ最終工程の「組み立てと接着」です。
ここまで来れば完成は目前ですが、接着は一発勝負です。失敗を防ぐために、「元竿側から順番に組む」こと、そして「接着剤は必ず竿(ブランクス)側に塗る」という2点を徹底してください。
なぜこの2点が重要なのかというと、振り出し竿の構造上、元竿側から順に組まなければ物理的にパーツが収まらず組み立てられません。そして、接着剤をガイドパイプの内側に塗ってしまうと、ガイドを差し込んだ際に接着剤が節の内側へ回り込み、中の節と外の節が接着して竿が伸び縮みができなくなるという致命的なトラブルを招く危険があるからです。

【使う接着剤】
固定ガイドの接着には2液型エポキシ接着剤(主剤と硬化剤を1対1で混ぜ合わせるタイプ)を使います。1回に使う接着剤の量は使う量はごく少量で十分です。出し過ぎに注意しましょう。

私が使用しているのは東邦産業さんのフィッシングボンドです。釣具店でよく見かける接着剤だと思います。
2液型エポキシ接着剤の5分硬化タイプがおすすめ
ガイドの接着では5分で硬化が始まるタイプの2液型のエポキシ接着剤がおすすめです。
理由は、1つのガイドを取り付けてセンターを合わせるまでに5分あれば十分なことと、接着力と耐久性が5分硬化タイプで十分なことにあります。硬化時間が長いタイプほど接着力と耐水性が優れていると説明がありますが、実用上の違いは全く感じません。

【塗り方のコツ】
私は接着剤を塗る時に爪楊枝を使用しています。竿を少しずつ回しながら、接着剤を付けた爪楊枝の先で「トントン」と叩くように接着剤を乗せていくと、付けすぎることなく均一に塗布できます。

【ガイドの向きの調整とクリーニング】
全周に塗り終わったらガイドを差し込み、ガイドラインに合わせて向きを微調整します。もし接着剤がはみ出しても焦る必要はありません。すぐにウエスなどで拭き取り、仕上げにアルコールを含ませた布で拭けば、キレイに除去できます。

【トップガイドの向きを合わせる】
トップガイドは、#1の誘導ガイドをガイド合わせマークに合わせて固定すると、トップガイドの向きが把握しやすいです。トップガイドから3個ぐらいまでの誘導ガイドを合わせた状態にすると、よりトップガイドの向きが分かりやすくなります。
【まとめ】古い竿のガイド交換は楽しい!「手間とコスト」をかけた古の竿の価値は唯一無二

磯竿のガイド交換は、決して簡単な作業ではありません。パーツ代としてのコストもかかりますし、精密な測定や調整には手間と労力が必要です。
しかし、その苦労の先には、既製品を買うだけでは決して味わえない感動があります。最新ガイドを纏った往年の名竿は、見た目がリフレッシュされるだけでなく、「持ち重りの軽減」や「糸捌きの向上」といった実戦的な進化を遂げます。
最新ロッドの「軽さ」や「強さ」には敵わないかもしれません。しかし、当時の竿にしか出せない「釣り味」は、今の竿とは違う釣りの楽しさを再発見させてくれます。「もう一度、この竿で魚を釣ってみたい」。作業を終えたとき、きっとそう思うはずです。
もちろん、古い竿のカスタムにはリスクも伴います。
廃盤でパーツが手に入らない竿であれば、不注意による破損で「修理不能」になる可能性は高いはずです。だからこそ、一つひとつの工程を急がず、細心の注意を払って作業することが重要になります。
自分の手で復活させた「唯一無二の相棒」と一緒に、再び磯に立つ。そんな贅沢な体験のために、ぜひこの記事を参考に、慎重かつ大胆にガイド交換へ挑戦してみてください。